
仙台キャンパスでは、最近密かに話題のゲームを実施しました。
それは……マーダーミステリーです。
「マーダー!?」
なんだか物騒な名前で怖そうだし、知らないという人も多いかもしれません。それもそのはず、何しろこのゲームは一度遊んだらもう遊べなくなってしまうものなのです。
マーダーミステリーとは、推理小説の登場人物となって事件を解き明かす体験型の推理ゲーム。担当するキャラクターの設定書を読み込んでから事件の究明を行っていきます。
設定書には、各キャラクターの性格や事件前後の行動、その目的が書かれており、ゲーム中はその情報をもとにして固有の目的達成のための調査や交渉を互いに行います。
1対1で交渉しても、全員で情報共有してもOK。そして、誰もがいつでも嘘をつくことができるのです。相手に情報を隠匿しつつ、いかに自分の必要とする情報を集めることができるかが、このゲームの重要なポイントです。
そして、このシナリオは一度使用し謎が解けてしまったら二度は使えません。
だからこそ実況動画なんてもってのほか!ネット上の口コミも、あまりみかけることはありません。
そんなゲームを使ってコミュニケーション力・情報整理能力・さまざまな思考力を実践的に学んでいこうと、生徒、教職員、TA(ティーチング・アシスタント、以下、TA)を合わせた7名に体験してもらいました!
今回は株式会社グループSNE様より発売されている『何度だって青い月に火を灯した』というシナリオを使用しました。

プレイヤーはそれぞれの設定書に従い、被害者の妻や弟、息子や従弟などの立場から事件を解明するために調査・話し合いをします。
大人気会話ゲームの「人狼ゲーム」とは異なり、少人数で話し合うことができる“密談”というシステムが、マーダーミステリーの大きな特徴の1つ。
密談を通したキャラクターごとの暗躍が、自分の思惑の達成に大きく影響します。

「昨晩の20時30分ごろに外で何をしていたのですか?貴方の姿を見たという証言を聞いたものですから...」
「少し倉庫を見に行っていただけです。ところであなたもその時間……」
真相解明に向けてさまざまな会話が繰り広げられています。自分が必要な情報をうまく得ることはできるのでしょうか。
他のプレイヤーによって一体どのような会話が繰り広げられているのか。一体どのような嘘が場に広がっているのか。犯人は誰なのか。
序盤では分からなかったことが、終盤になるにつれ、いろいろな情報が集まり物語が解き明かされていきます。

最後に犯人だと思う人物を予想し、一斉に投票をします。
最後の最後まで事件の全容は分かりません。一人ひとりの目的は達成できたのでしょうか。

生徒たちにはこれからもっと有名になっていくであろうゲームをいち早くプレイすることで、世の中には多様なコンテンツ、エンターテイメントが溢れていることを知ってもらいました。
また、このゲームを通して、これまでの課題解決型学習(PBL)「プロジェクトN」で学んださまざまな思考法や、コミュニケーションスキルを駆使してもらおうという意図もありました。
・手に入れた多くの情報を整理して論理的に推理する力
・新たな情報を手にしたときに、本当に正しいのかと考えることのできる力
・生徒と教職員・TAで一つの物語を作る、協調する力
人生で一度しかできないゲームだからこそ、自分の目的を達成するだけでなく、人を思いやり、みんなで進めなければなりません。
マーダーミステリーはゲームです。点数というシステムがあり、勝者が存在します。しかし一番大事なことは“全員で協力して一つの物語を作り上げること”。
どんな結末を迎えようと複数人で物語という大きなものを作り上げる難しさ・楽しさを感じることが大切です。
ゲームが終わり、真相を知った後も「僕が担当したキャラ、一番いい人でしたよね?!」とまわりに聞いて回るほど、キャラクターに愛着が湧いた生徒もいました。
物語は人が関わり合い、交錯し合って作り上げられます。きっとそれはフィクションにおいてだけではなく、自分たちのこれからの生活も人が関わって作り上げられていくでしょう。
仙台キャンパスでは、今後もこのように楽しみながら学ぶことができる企画をたくさん立ち上げ、皆さんにも楽しい学びの様子が伝わるようにブログにてご紹介します。
